1958 年 32 巻 8 号 p. 581-584
不破氏のβ-アミラーゼ測定法を吟味して次の諸点を明らかにした.すなわち,
(1) β-アミラーゼによるアミローズの加水分解はアミローズに関して1次反応であるが,それにもかかわらず個々の加水分解はその当初から次数の高い反応の形態を示している.
(2) この加水分解は零次反応ではないから基質濃度を不破氏の原法によるよりも低くしない方がよい.
(3) β-アミラーゼの定量操作としては,呈色液の最終液量を10ccとして蒸留水の使用量を減じかつ酵素量の定量下限を低くする場合も不破氏の原法通りの呈色操作を行うのが最も妥当である.