1958 年 32 巻 8 号 p. 648-650
各種生澱粉に対する黒麹アミラーゼ作用を調べ,次の事が明かとなった.
(1) 糯玉蜀黍,糯米,粳玉蜀黍の各生澱粉は澱粉粒子の大小にかかわらず,糖化され易い澱粉ほどアミラーゼをよく吸着した.この事実はこれ迄の著者の見解とよく一致した.
(2) 粟及び玉蜀黍につき,糯種と粳種との澱粉の間で黒麹糖化型アミラーゼ区分に対し,既報(7)の米の場合と等しい関係を示す事を知った.即ち糯澱粉は著しく速かに,粳澱粉は極めて困難に分解された.
(3) 大麦澱粉と麦芽澱粉とに対する黒麹アミラーゼ作用に於ては麦芽澱粉が若干分解され易い程度で大差は認められなかった.