1959 年 33 巻 10 号 p. 862-866
(1)微量拡散分析法の醤油分析への応用は,検体90~17γNの微量で,分析の正確度が高く,精度は〓=0.00292, c=0.240%, 99%の信頼度で±0.72%であった.
(2)微量拡散分析法とケルダール法(協会法)とを比較して,後者の分析値が低く且誤差の大きい事を知った.其の主因は加熱分解操作の重要部分即ち加熱温度,加熱時間等の規定に分析者の自由裁量に委された所が多い為であった.
(3)醤油と言う限定試料に対して適切と思われる分解方式はAOAC法の著者改変法である.操作を作業標準化した場合,繰返し分析の〓=0.00057,回帰分析の〓=0.00058で理論値に近い結果を得た.