日本農芸化学会誌
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乳酸菌の酵素に関する研究(第12報)
ラセミアーゼ反応の特質
北原 覚雄大林 晃
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1959 年 33 巻 7 号 p. 524-528

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抄録

Racemiase反応上の種々の性質を検べ次の事実を得た.
(1) Racemiaseの至適基質濃度は2×10-1Mで,酵素-基質のMichaelis恒数は2.8×10-2Mが与えられる.
(2)至適pHは7.0と7.5の間にある.
(3) D-, L-何れの乳酸を基質とするも至適温度は35°で,活性化エネルギーは両基質に対し殆んど差なく, 6,500-7,000 cal/molである.
(4) D-, L-両乳酸のラセミ化反応速度は殆ど同じで完全にDL-乳酸になり平衡に達する.
(5)種々の物質のracemiase反応に対する影響を検べたが,特に2, 4-dinitrophenolは2×10-3Mで50%阻害をなす. ATP, ADPはracemiase作用に対しDPNにcompetitiveな阻害作用を示した.

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