1961 年 35 巻 1 号 p. 13-17
(1) 鶏卵卵白の泡立ちの測定法としての送気法及び攪拌法の比較を行なう目的をもって,種々の処理を施した卵白について泡立ちの測定を行なった.
(2) ここで得られた各種処理卵白の泡立ちの測定結果から明らかとなった両方法の特徴を比較すると次の通りである.すなわち送気法は攪拌法に比し少量の試料で済み,その測定結果も大体において攪拌法の測定結果と一致する.しかし,一部の処理方法では測定が不可能となる場合(例:試料のpHを酸性に調整した場合)があり,またその処理の影響を調べることができない場合(例:大豆油を添加した場合)がある.
これに対し,攪拌法はすべての処理卵白の泡立ちの測定が可能である.しかし,この測定のためには安定な泡沫が得られることを前提とする.よって不安定な泡沫しか得られない場合(例:1,000%以上加水した場合)らは攪拌法によっては測定でぎない.