日本農芸化学会誌
Online ISSN : 1883-6844
Print ISSN : 0002-1407
ISSN-L : 0002-1407
ガスクロマトグラフィーによる本邦産牛乳脂肪の脂肪酸組成に関する研究(第4報)
ガスクロマトグラフによる乳脂肪の構成脂肪酸の定量法について
中西 武雄中江 利孝
著者情報
ジャーナル フリー

1962 年 36 巻 12 号 p. 988-994

詳細
抄録

牛乳脂肪の脂肪酸組成を決定するために,ガスクロマトグラフィーを適用して構成脂肪酸を定量する方法とその正確度について検討を加え,迅速で比較的正確な定量法を考案した.
乳脂肪は10倍量の0.0025~0.005N苛性カリーメタノール液の1~1.5時間加熱処理でメチルエステル化し,食塩水による洗滌とエーテル抽出によってエステルを回収した.エステル化試料2~4μlは220°でセライト545-ethyleneglycol succinateの3mカラムに注入し,毎分30mlの流速のHeガスをキャリアーガスとしてガスクロマトグラムのピークを画かせた.予め検量線から求めた換算係数に基いて,各成分ピークの相当する脂肪酸の重量を算出し,脂肪酸組成を決定した,エステル調製時の回収率,定量値の正確度などの検討の結果から,この方法は簡易迅速で比較的正確な定量法であり,多数の乳脂肪試料を短時間で分析するのに適していることがわかった.

著者関連情報
© 公益社団法人 日本農芸化学会
前の記事 次の記事
feedback
Top