日本農芸化学会誌
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ソテツ (Cycas revoluta THUNB.) の核酸分解酵素について(第1報)
ソテツ種子胚乳のリボヌクレアーゼの精製と一般的性質について
原 彰矢野 浩渡部 常樹
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1969 年 43 巻 1 号 p. 13-20

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抄録

(1) ソテツ種子の胚乳のリボヌクレアーぜを水抽出,硫安塩析,連続3回のDEAE-セルロースカラムクロマトグラフィーにより,高純度に精製した.
(2) この酵素は至適pH 4.7であり,PH 3~11の間では比較的安定であるが,pH 4.7で65°C以上の加熱で急激に失活し,90°ではほとんど完全に失活する.
(3) この酵素は,食塩の0.1~0.15Mで最も活性が強いが,0.4Mでも余り阻害されない.2価の金属イオンでは,10-3MのHg2+で強く阻害され,Pb2+もやや阻害的に作用するが,Mg2+,Ca2+,Mn2+,Zn2+ではほとんど影響されない.
(4) この酵素は,リボ核酸に作用してヌクレオシド2',3'-環状リン酸を生ずるが,その場合,プリン系2',3'-環状リン酸エステルの方がピリミジン系のそれよりも生産が早い.

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