抄録
L.acidophilusのファージ(主としてJ1)について,重層法によるプラーク・カウント法について検討を加え,プラーク生成に影響する因子を明らかにし,ファージ定量の標準条件を設定した.
EOPに影響したのは,培地のPHやカルシウム濃度,指示菌のエイジ,プレートの培養温度などであったが,いずれも著しくはなかった.一方,還元物質も影響を与えたが,なかでもアスコルビン酸塩,システインの影響は著しかった.
他方,プラークの大きさに影響したのは,培地のpH,上層の寒天濃度や量,指示菌の添加数,プレートの培養温度などであった。還元物質の影響は,アスコルビン酸塩,ギ酸塩では小さくなり,逆に,システイン,硫化ナトリウム,チオグリコール酸塩では大きくなった.なお,システイン,硫化ナトリウムはプラークの形状にも変化を与え,プラークの周辺が明確となった.