日本農芸化学会誌
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アルミニウムアマルガムによるストレプトマイシンの還元に関する研究(第2報)
反応経過の検討と反応中間体の推定構造
藤巻 逸夫辻 啓一
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1970 年 44 巻 10 号 p. 471-475

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抄録

SMがAl-Hg還元によってDDSに還元される反応経過を新たな定量法により追跡した結果, SMがDDSになる途中に未知の還元中間体の一種が生成することを明らかにした.その生成量は用いたSMの最大25モル%に達し,この未知物質はSMのストレプトース部のC3のヒドロキシル基が還元された物質であると推定した. DDSを二酸化マンガン等の酸化剤で酸化し,水蒸気蒸留すると低収量ではあるが, 2-methyl-3-formylfuran (MFF)が生成する事実も上記の推定を支持する.すなわち中間体の構造は, 1-(1, 3-diguanido-2, 4, 5, 6-tetra-hydroxycyclohexanido)-2-(N-methyl-α-L-glucopyra-nosinido)-3-C-formyl-3, 5-dideoxy-α-L-pentofura-noseと推定される.以後の報告では上記の化合物をdeoxystreptomycin (DOS)と呼ぶ.

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