牛,人,やぎ,豚,ラマおよびばくの初乳または常乳についてガスクロマトグラフ法により脂肪酸組成を求め,泌乳期による組成の変化,牛乳との違いに関して比較した.また採乳した試料についての一般組成の値も記載した.
豚と人の乳の脂肪酸はC4:0, C6:0, C8:0の脂肪酸をほとんど含まない点で類似していた.牛とやぎの乳の脂肪酸は低級脂肪酸を含むこと,およびC18:2の肪脂酸含量が類似していた.牛と人の場合,初乳から常乳になるとC10:0, C12:0, C14:0の脂肪酸が増加し, C16:0, C18:1, C18:2の脂肪酸が減少した.豚の常乳でもC18:2は減少した.ばく乳の脂肪酸は他と非常に相違し, C10:0, C12:0の脂肪酸含量の多いことが認められた.