日本農芸化学会誌
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メラノイジンに関する化学的研究(第2報)
メラノイジンのゲル濾過画分の性質について
加藤 博通五明 紀春宇高 潔藤巻 正生
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1971 年 45 巻 12 号 p. 559-564

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抄録

D-キシロースとグリシンまたはn-ブチルアミンよりメラノイジンを調製,これを各種のセファデックスのカラムで分画し,各画分の性質を溶出位置(分子量または重合度)との関連において検討し,以下の結果を得た.
(1) 重量当りの過マンガン酸カリ消費量は,分子量に関係なくほぼ一定である.
(2) 重量当りの紫外部吸光度はほぼ一定であるが,着色度は重合度が大きくなるにつれて増加し,この増加は長波長にいくほど著しい(黒色味を増す).ただし高分子量域では,一定値に近づく.
(3) レダクトン含量(インダフェノール還元力)も重合度が大きくなるにつれて増加するが,高分子量域では一定値に近づく.
(4) メラノイジンのN%はほぼ一定であるが, C/N比は,重合度が増すにつれて大きくなる.
なお,メラノイジン分子の会合の可能性について,8M尿素中およびpH 10.4の緩衝液中でのゲル濾過を行なって検討したが,会合-解離の現象は認められなかった.

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