1971 年 45 巻 4 号 p. 184-188
ブタ血清に存在するレンニン凝固阻害物質について実験を行ない,以下の結果を得た.
1. ブタI血清を水透析によって透析膜外液,透析膜内液上澄,透析膜内沈澱の3つに分画することができ,阻害作用の中心は膜内の水溶性タンパク質画分に存在した.
2. 水透析によって得た水溶性タンパク質画分をDEAE-セルロースおよびSephadex G-200によって分画した結果, α2-マクログロブリン60%, β-リポプロテイン40%からなる画分が得られ,阻害作用の主体をなすものはα2-マクログロブリンであると考えられる.