日本農芸化学会誌
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デキストラナーゼ精製酵素の諸性質
花田 香一広瀬 明二宮 英二
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1974 年 48 巻 1 号 p. 21-26

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抄録

Aspergillus ustus237が生産するデキストラナーゼを,塩析とDEAE-セルロースおよびBio-Gel P-150を用いるゲルフィルトレーション法で精製した.本精製酵素は電気泳動的に単一であり,分子量は35,000であった.作用至適pH 5.7,至適温度50°Cであり,pH安定性はpH 5.5~8.5の範囲にあり,温度安定性はpH 7において40°Cまでは安定だが,50°Cでは活性が半減した.しかしながら,Cr3+イオン,Al3+イオン等は温度安定性の増大に寄与することを確認した.Hg2+イオン,Ag+イオン,Cu2+イォンおよびKMnO4で著しく阻害されるが,チオール試薬(ρ-CMBおよびヨウ度酢酸),キレート剤(EDTA)および還元剤(L-アスコルビン酸)では,ほとんど阻害されなかった.

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