抄録
北海道産のスイートコーンから製造したペーストおよびパウダーを用いて,減圧蒸留法および減圧炭酸ガス蒸留法により香気濃縮物を調製し,GC-MS分析した.
その結果,エタノール,ブタノール,ペンタノール,ヘキサノール,cis-3-ヘキセノール,リモネン,2,5-ジメチルピラジン(または2,6-ジメチルピラジンを含む),2,3-ジメチルピラジン,α-ヨノン,β-ヨノン等を同定した.ペーストとパウダーでは,香りのパターンに相違が見られた.
トップノートの主成分としては,ジメチルスルフィドを確認した.
パウダーの品質劣化は,低沸点物質の減少とヘキサナール,トランス,トランス-2,4-ヘプタジェナール,トランス,トランス-3,5-オクタジエン-2-オン,シス-2,トランス-4-およびトランス,トランス-2,4-デカジエナール等の増加によるものであることが認められた.