日本農芸化学会誌
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ホルムアルデヒドの縮合によるトリオースレダクトンの生成
小幡 斉鹿田 幸治徳山 泰
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1976 年 50 巻 12 号 p. 593-598

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抄録

TRは,現在グルコースを原料として作られている.本実験において,原料が入手しやすく,低廉,調製が容易なパラホルムアルデヒドを原料に用い,酸化カルシウ〓Scheme 1. The Formation of TR from HCHO.ムを触媒としてレダクトンの生成,分離を行なった.
1.レダクトンの生成条件について調べた結果,種々の無機塩基の存在下におけるレダクトンの生成量は, 0.2Mの酸化カルシウムが固体触媒として有効なことがわかった.反応温度は60°C,初発pHは7~10の範囲,嫌気的条件が良かった.
2.反応液中のレダクトンをPPCによって検討した結果, TRが生成していることが示唆され,鉛塩として分離し,その鉛塩を濃硫酸で遊離し,昇華精製した.そのレダクトンをmp,元素分析, IR, massスペクトル分析によって同定した結果, TRが生成していることが確認された.
3.反応液中にホルムアルデヒドの安定剤を添加した結果, Tween-60添加が無添加の場合よりも約2倍量近いTR増収をなし, 6gのパラホルムアルデヒドから68mgのTRが生成した.

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