日本農芸化学会誌
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アカマツ花粉ミトコンドリアの酵素
勝又 悌三栗谷川 義夫遠藤 文子菅原 日出男早坂 讃造
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1976 年 50 巻 12 号 p. 607-612

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抄録

アカマツ花粉の細胞分画法を検討後,とくにミトコンドリア画分について,イソクエン酸,コハク酸デヒドロゲナーゼおよびチトクロームオキシダーゼの発芽時の活性を検討し次の結果を得た.
(1)イソクェン酸デヒドロゲナーゼはNADPに特異的であるが, NAD添加ではNADPの場合の約8%の活性を示した.
(2) Fig. 1に従って細胞分画を行なったが, DNAリンは主として核画分に存在し,コハク酸デヒドロゲナーゼおよびチトクロームオキシダーゼ活性は,ほとんど15,000×g遠心画分に検出された.この15,000×g遠心画分は, Janus Green B染色,ブラウン運動観察,電子顕微鏡観察,酵素活性などから,ミトコンドリア画分と推定した.
(3)ミトコンドリア画分のNADP特異性イソクエン酸デヒドロゲナーゼ,コハク酸デヒドロゲナーゼ,チトクロームオキシダーゼは,発芽時にいずれもその活性を増大した.

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