1977 年 51 巻 2 号 p. 65-74
49試料の変数変換した醤油香気のガスクロマトグラムデータと官能検査スコアーとの関係を重回帰分析により解析した.
(1) 各ピーク値と官能検査スコアーとの単相関は全体的に低く,最高のピークで0.559に過ぎなかった.
(2) 各変数変換により解析精度は変動したが,絶対値の対数変換において最高精度が得られ,相対値の対数変換がこれについだ.
(3) 対数変換した絶対値に基づき段階的重回帰分析を行ったところ,重相関係数および決定係数はステップの増加とともに増大し,各々ステップ15と25において0.9を越えた.
(4) 段階的重回帰分析において,標準推定誤差はステップ41において最小値を示した.このことは,F比の結果とともに,推定精度について変数選択の重要性を示すものである.
(5) 各変数変換において,各ピークの寄与率は変動を示したが,共通して大きな値を示すピークも存在した.