1978 年 52 巻 12 号 p. 567-574
嫌気性セルロース分解菌によりセルロースを分解し,その代謝産物の有効利用をはかる目的で,培養条件を検討し,次のような成績を得た.
(1) 試験に供した5株のルーメン細菌の中では,Ruminococcus albusが最も高いセルロース分解能を示し,比較的大きな規模で嫌気培養できる見通しを得た.
(2) 単離したコンポスト細菌YK株の至適温度は60°Cで,セルロース分解能がかなり高かった.本菌はClostridium thermocellumにきわめて類似の性質を示した.