1978 年 52 巻 3 号 p. 111-116
発酵によってdoughの内部に生成する炭酸ガス気泡の大きさとdoughの内圧の関係が調べられた.発酵20分位まではdough中の気泡の大きさはほとんど変化せず,その数のみが増加した.なおこの過程においてはdoughの内圧が著しく増舶した.発酵20~50分経過するとdough中の気泡の大きさは徐々に大きくなった.一方,内圧の増加速度は小さくなり,発酵40~50分ではほぼ一定となった.発酵50分以上経過すると気泡は合一を起し,その体積は非常に大きくなった.なお発酵50分以上になると内圧は不連続的に減少した.レシチンを添加すると発酵dough中の気泡の大きさは小さくなった.一方,内圧は大きくなった.またレシチンの添加により気泡の合一速度が小さくなった.