1985 年 59 巻 6 号 p. 605-611
(1) 醤油醸造用麹菌62株についてα-アミラーゼ生産性と炭水化物消費量の関係を調べたところ両者間に正の相関が認められた.
(2) α-アミラーゼ低生産性株のスクリーニングを行い最初の親株であるA. oryzae No.1065の約1/3~1/150の低生産性株を取得した.
(3) これらのα-アミラーゼ低生産性株のグルコアミラーゼ,プロテアーゼおよびグルタミナーゼ活性にはα-アミラーゼのような顕著な変化は認められなかった.
(4) α-アミラーゼ低生産性株は製麹試験においても炭水化物消費量および製麹中の発熱量が少なかった.
(5) 諸味液汁中の炭水化物由来の成分がα-アミラーゼ低生産性株では8~25%増加した.粕中の炭水化物および澱粉量は最初の親株と差がなかった.