抄録
31種類のコーヒー豆を用い,機器分析データに基づく分類と各豆の官能評価との相関を数量化理論第1類(Quant.1)を用いて解析し,各コーヒー豆の香気特性を要約した.
(1) 機器分析データに主成分分析法(PCA)を適用することにより31種類のコーヒー豆は6つのグループに分類された.
(2) PCAにより得られた第1,第2主成分と官能検査結果をQuant.1により解析した結果,両者には1次結合が存在することが明らかとなった.
(3) Quant.1により得られた偏相関係数から,第1,第2主成分に寄与する官能評価項目を把握することができた.
(4) 官能評価項目の主成分値に対する寄与度をQuant.1で解析することにより,第1,第2主成分を意味付けることができ,それぞれの意味付けに基づいて31種類のコーヒー豆の香気特性を要約することができた.