農業経済研究
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論文
わが国牛肉の需要構造とTPP協定の影響
品種別分析
髙橋 昂也前田 幸嗣
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2016 年 88 巻 3 号 p. 229-243

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抄録

本稿の目的は,牛肉を4品種に分類し,かつ時系列データの非定常性を考慮した上で,わが国牛肉需要構造を計量経済学的に明らかにし,環太平洋パートナーシップ(TPP)協定が国産牛肉生産に与える影響について考察することである.主な分析結果は次のとおりである.第1に,国産食肉よりも輸入食肉の方が,自己価格と食肉支出に対する需要の反応が大きい.第2に,TPP協定は,和牛肉と交雑牛肉の需要量に有意な影響を与えない一方,乳用牛肉の需要量を8.6%減少させる.第3に,TPP協定発効後は,牛肉関税化後と異なり,和牛肉の生産拡大によって乳用牛肉の生産縮小を埋め合わせるという貿易自由化の影響緩和効果を期待できない.

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© 2016 日本農業経済学会
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