COVID-19の影響はわが国のフードシステムの複数段階に及ぶため,検討には考え方の整理が必要である.本報告では疾病分類および「トリプルR」の考え方を活用し,最初に東日本大震災との比較を実施した.そこで顕在化したフードシステムの脆弱性を指摘した上で,フードシステムの各段階における動向を,過去2回の総務省経済センサスを基に検討した.その結果,COVID-19による変化とみなされているものの多くが,COVID-19以前から生じていた構造変化であり,コロナ・ショックはこれを加速させる可能性が高いことを報告した.