国立のぞみの園紀要
Online ISSN : 2435-0494
行動援護従業者養成研修プログラムの全国的な普及と行動援護サービスの普及・効果的な実施に関する調査・研究
田中 正博大塚 晃加瀬 進高森 裕子戸枝 陽基福岡 寿山口 久美伊藤 寿彦井原 佳代大森 寛和桑原 綾子坂井 賢田邊 貴仁出口 晋中西 昌哉中村 隆長葭 康紀野口 幸弘藤井 亘松田 裕次郎水野 敦之安井 愛美岡田 みゆき木下 大生村岡 美幸森地 徹相馬 大祐小金澤 孝太
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2010 年 3 巻 p. 5-19

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抄録

平成18年度から厚生労働省の補助金を受けて、行動援護の普及とサービス水準の確保、そのための従業者の養成に取り組んできた。本年度は、都道府県研修のインストラクターのパワーアップを図るための研修等を実施したほか、行動援護が量的な拡大に至らない事情を探るべく、先駆的な地域における活用事例と体制づくりの事例収集分析を行った。分析の結果、行動援護が活用されるためには、①市町村の行動援護に対する理解を深め市町村が支給決定プロセスにおいて対象者を確実に把握し利用を勧奨すること、②行動援護の量的拡大の基盤として自立支援協議会を有効に機能させ相談支援体制を充実させること、③市町村の地域生活支援事業の中で「お試し利用」の機会を設けることなどにより、行動援護のメリットを実感できるように工夫する、などの課題が明らかになった。これらの課題への的確な対応が「ニーズがない~事業者がない~ニーズが出ない」という悪循環を断ち切る重要な鍵になるとの結論に至った。

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© 2010 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園

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https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja
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