国立のぞみの園紀要
Online ISSN : 2435-0494
重度あるいは行動障害のある知的障害児者の在宅生活を 支えるサービスに関する調査・研究
―行動援護を中心に―
村岡 美幸志賀 利一相馬 大祐木下 大生田中 正博
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研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

2012 年 5 巻 p. 1-11

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抄録

本研究では,行動援護サービスが創設されてから6年が経過した現時点での,行動援護の利用者像と行動援護が果たしている役割について考察した.方法は,行動援護事業所を対象に,平成22年度の契約状況,行動援護契約者の障害程度区分と行動関連項目の点数,利用事例等を,葉書,メール,電話,面接にて調査した.今回の調査から行動援護は,大きく3つのタイプの利用者像があることがわかった.それは,①家族が包括的かつ比較的長時間支援を行っている重度あるいは行動障害のある知的障害児者,②一人親あるいは経済的理由等で支援の時間が限られる行動障害のある知的障害児者,③行動障害の程度はやや軽易ではあるが家庭における支援に課題を抱える障害児者であった.また,重度あるいは行動障害のある知的障害児者の在宅生活を支えるうえで行動援護が果たしている役割は,①家族のレスパイトと,②本人の生活の構築であることも確認できた.

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© 2012 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
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