2014 年 7 巻 p. 1-6
65歳以上の障害者の福祉サービス利用については,介護保険優先とされながらも,一律に介護保険を優先するのではなく,市区町村には本人の利用意向を把握した上で,柔軟な対応が求められている.しかし,2012年度に実施した市区町村への悉皆調査の結果からは,市区町村ごとに高齢知的障害者の福祉サービス利用の判断について相違がある等,課題が抽出された.そこで,課題を再整理するとともに,介護保険サービス,障害福祉サービスの双方を柔軟に利用できるよう対応している市区町村等への電話調査を行った.その結果,介護保険サービス,障害福祉サービスの狭間に位置づく高齢知的障害者に対し,画一的ではなく,本人の利用意向を優先し,柔軟に双方の制度を利用できるよう支援していた.また,そのためには市区町村の職員のみで対応するのではなく,多分野,多職種との連携によって可能になっていた.