2014 年 7 巻 p. 7-15
高齢知的障害者における居住の場の実態を把握することを目的として,平成24年度に新規で障害者支援施設に入所した60歳以上の知的障害者および退所した65歳以上の知的障害者について,入所あるいは退所後の居住の場や入所・退所の理由等に関する質問紙調査を実施した.1,068事業所から得られた調査結果からは,①在宅の65歳以上の知的障害者の多くは居住の場として特別養護老人ホーム等を選択している,②現状として,既に入所している者の多くにとって障害者支援施設は「終の棲家」である,③65歳以降の入所の3分の1を占めるGH・CHからの入所者の多くが再入所であり,GHにおける介護や認知症対応は今後の課題である,こと等が示唆された.