2014 年 7 巻 p. 72-77
幼少期より激しい異食行為が続いている重度知的障害者男性への,入所施設における支援実践の経過をまとめる.支援方法の主軸としては,TEACCHプログラムによる構造化の手法を活用した.アセスメントを行い,支援計画を立案し,支援と検証を繰り返した結果,かなりの歳月を要したが,50年以上続いた排泄物の異食が消失した.この実践事例から,激しい行動障害のある人に対しても,冷静に事例を見据えつつ,継続的にアセスメントを行いながら,粘り強く支援することの大切さを改めて認識した.