主催: 看護薬理学カンファレンス
会議名: 看護薬理学カンファレンス 2022 in 高知
回次: 2
開催地: 高知
開催日: 2022/10/01
国際的な防災の枠組みである仙台防災枠組では、近年、災害に直面することを防ぐよりも、災害による人と財産への影響が速く増大しており、特に地方やコミュ ニティのレベルで、中期・長期的な経済・社会・健康・文化・環境への大きな影響を伴った災害損失が継続的に増加している。
災害看護は、「災害に関する看護独自の知識や技術を体系的にかつ柔軟に用 いるとともに、他の専門分野と協力して、災害の及ぼす生命や健康生活への被害を極力少なくするための活動を展開すること」であり、人々の減災行動の自助、共 助、公助をケアすることであり、医療者と既存の医療システムの枠の外の非医療者による外部支援や地域活動などのオープンなガバナンスの中にある。これはま さに、災害時に必要なヘルスケアの共助の備え、防災活動はまさにWHO 長年提唱している"プライマリヘルスケア"とユニバーサルヘルスカバレッジの見直しであ ると捉えている。
プライマリヘルスケアの原則は、(1)住民のニーズに基づくこと、(2)地域資源の有 効活用、(3)住民参加、(4)農業、教育、通信、建設 ・水利など多分野間の協調と統合、(5)適正技術の使用であり、現代の一つの方法としてセルフメディケーションの日常化こそ災害時の備えと捉え、どのような平時の生活習慣に定着させられるか を検討した。
災害時のセルフメディケーション行動のために、さらに必要なデータや活用方 法を検討し、必要な情報をリストアップした。1)平時に、自分の状況に合致した適切な OTC 医薬品の備蓄に際し、有用であること 2)被災後に、軽症の健康被 害からくる自覚症状に応じて、適切に備蓄した OTC医薬品を選択し適用できる 項目を網羅することを目的とし、データベースが保有すべき項目を検討し、先行的 なデータベースを作成した。
それ減災リテラシーとして獲得するためにオンライン講座を実施ししたところ、 特に看護職と福祉職の連携の必要性が示唆され、さらに外部支援ではなく地元住民の関与が重要であることが示唆された。
さらに多様な配慮に対するインクルーシブな防災として聴覚障がい者、言語障 がい者所属の団体代表者、発達障がい者の家族、外国人へのヒアリングを実施したところ、災害時には、セルフメディケーションやセルフケアが可能になるには、表記についての改善点。 【コミュニケーション支援、平時のニーズの理解、平時の 生活背景の理解、避難所特有の心配事、要望への応答】が挙げられた。