睡眠医療ネクサス
Online ISSN : 2760-263X
特集 慢性不眠症に対する各種治療の実力を考える
2. ベンゾジアゼピンとZ-drugの適正使用を考える
井上 雄一
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2025 年 1 巻 3 号 p. 97-103

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抄録
欧米の不眠症治療ガイドラインではCBT-Iが第一選択で,国内でもオレキシン受容体拮抗薬(ORA)やメラトニン受容体作動薬の位置づけが確立されている.一方,BZDs(ベンゾジアゼピン類とZ-drug)は高齢者での転倒・認知機能低下,呼吸抑制,前向性健忘,耐性・依存と中止時の離脱症状発現の懸念から,その投与は最少量・単剤・短期間にとどめることが求められている.とはいえ,BZDsは心理的過覚醒や不安の軽減に寄与し,CBT-I未整備のわが国では有用な場面が少なくない.BZDsの使用に際しては,適応を回避すべき条件の有無を十分吟味し,治療初期から減量・中止計画を共有すべきである.効果不十分ないし長期化する場合には,ORAや鎮静系抗うつ薬,CBT-Iへの切り替えを柔軟に行い,離脱症状にも備える必要がある.また,漫然投与は耐性形成から用量漸増を招きやすいこと,急な中止は離脱症状を惹起する可能性があることに注意して,治療中に入念に状況を確認することが肝要であろう.
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© 2025 本論文著者
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