睡眠医療ネクサス
Online ISSN : 2760-263X
総説
睡眠障害と慢性疼痛の双方向関係
─疫学知見から統合的治療戦略まで─
山田 恵子 上野 慶太石井 良平
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2026 年 2 巻 1 号 p. 2-9

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抄録
睡眠障害と慢性疼痛は高頻度に併存し,相互に影響し合う.2024年のメタ解析では,睡眠問題が将来の慢性疼痛リスクを長期的かつ強力に高める一方,疼痛からの影響は短期的であるという非対称性(方向性と持続性の差)が示唆された.日本人約2万人を対象とした我々の研究では,自己報告による睡眠時間より睡眠の充足感(質)が,部位(頭痛,腰痛等)を問わず慢性疼痛と強く関連した.機序として,炎症,下行性疼痛調節系,視床下部-下垂体-副腎軸,心理社会因子の関与は支持されるが,脳ネットワーク等の関与は示唆段階にある.本稿ではこれらの疫学・病態機序を整理し,臨床応用として,睡眠診療における疼痛スクリーニングを起点とし,認知行動療法と運動療法を基盤に薬理学的介入を最適化する統合的戦略を提案する.今後は睡眠の質の改善が,痛覚調節や生活の質に及ぼす因果関係の前向き検証が課題である.
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© 2026 本論文著者
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