日大医学雑誌
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原著
肺癌患者における Cell Search System を用いた循環腫瘍細胞の検討
石本 真一郎村松 高四万村 三惠古市 基彦西井 竜彦竹下 伸二諸岡 宏明大森 一光塩野 元美杉谷 雅彦細川 芳文
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2009 年 68 巻 4 号 p. 236-239

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抄録
要旨 肺癌患者の血液から循環腫瘍細胞 (CTC: Circulating Tumor Cells) をナノ磁気ビーズ法 (Cell Search System) で測定し検討した.対象は 2007 年 7 月から 2008年 1 月にかけて未治療の肺癌 15 症例である.それぞれの臨床病期は IA 期 (T1N0M0 ) が 3 例,IIB 期 (T2N1M0) が 1 例,IIIA 期 (T1~2N2M0) が 3 例,IIIB 期 (T4N1M0)が 4 例,IV 期 (Tx~2N1~3M1) が 4 例であった.細胞数が陽性 (1 個以上) であったのは 4 例で,いずれも IIIB期あるいは IV 期であった.CTC 細胞数は最低 1 個,最高 4186 個であった.CEA 腫瘍マーカーとの関連は認めなった.肺癌における循環腫瘍細胞は,陽性症例では進行癌あるいは遠隔転移を反映しており,今後,症例数の蓄積により予後を反映できる可能性が示唆された.
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© 2009 日本大学医学会
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