日大医学雑誌
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原著
胃病変に対する用手補助腹腔鏡下胃切除術
萩原 謙松田 年山形 基夫林 成興加茂 知久宋 圭男藤井 雅志高山 忠利
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2009 年 68 巻 6 号 p. 326-331

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抄録
要旨 【はじめに】 我々は 2005 年 1 月より胃病変に対して用手補助腹腔鏡下胃切除術 (HALG) を施行してきた.今回,当科の HALG の手術術式と成績を提示し,同法の有用性を検討する.【対象と術式】 2005 年 1 月から 2009 年 6 月までに胃病変に対して用手補助腹腔鏡下に施行した幽門側胃切除術/幽門保存胃切除術 (HALDG/HALPPG) 63 例, 胃全摘術 (HALTG) 19 例, 噴門側胃切除術 (HALPG) 13 例を対象とした.全ての術式でGelportTM を季肋下に装着し,12 mm ポート 2 本,5 mmポート 2 本を同一部位に挿入した.再建は小開腹創よりHALDG/HALPPG: Billroth-I または Roux-en-Y 法,HALTG: Roux-en-Y 法, HALPG: 空腸パウチ間置再建を施行した. 【結果】 手術時間は,HALDG: 209 分,HALTG: 251 分,HALPG: 229 分,出血量は 50 g, 134 g, 91 g, 術後入院日数は 13 日, 17 日, 14 日であった. 全ての症例で術中トラブルなく腹腔鏡下に手術を完遂した.【まとめ】 HALG は開腹手術に慣れた術者も受け入れ易く,胃病変に対して有用な手技の一つと考えられた.
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© 2009 日本大学医学会
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