日大医学雑誌
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症例報告
薬剤溶出性ステント留置後の早期再狭窄病変を血管内視鏡で観察しえた一例
氷見 智子原澤 一雄猿谷 忠弘中山 清和栃原 敏彦高山 忠輝廣 高史斎藤 穎平山 篤志
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2010 年 69 巻 2 号 p. 90-94

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抄録
要旨 86 歳男性,約 4 か月前に左前下行枝 (LAD),右冠動脈 (RCA) に対し他院にて TAXUS® stent を留置された.心不全をきたし当院入院となり,心不全の原因検索のため,心臓カテーテル検査を施行し,以前留置した LAD, RCA の stent に再狭窄を認めた.DES 留置後早期の再狭窄は極めて稀であるため,原因検索のため再狭窄病変に対して血管内視鏡を試みたが,LAD ではカテーテルが通過しなかったため観察できなかった.しかし RCA の再狭窄部位では,血管内視鏡による観察により,新生内膜を認めず,ステントストラットから逸脱している高度黄色プラークに付着した血栓を認めた.これは,黄色プラークに DES が留置され,再狭窄予防効果の高いパクリタキセルにより内膜化がおこらず,逸脱したプラークに血栓が付着したことによる狭窄であることが血管内視鏡により明らかにされた.このような機序による再狭窄は血管内視鏡による観察が行われなければ解明できず,DES 再狭窄機序が血管内視鏡により明らかとなった貴重な症例であり報告する.
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© 2010 日本大学医学会
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