症例報告
進行肺癌との鑑別が困難であった肋骨好酸球性肉芽腫症を合併した肺クリプトコッカス症
2013 年 72 巻 2 号 p. 99-101
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2013 年 72 巻 2 号 p. 99-101
症例は 40 歳，男性．右前胸部痛を主訴に当院を受診．胸部 CT 上，右中葉に径 10 X 10-mm 大の異常結節影を認めた．ポジトロン断層法 (positron emission tomography: PET) を施行した結果，SUV MAX 6.28 の高度集積および右第 6 肋骨に SUV MAX 4.35 の高度集積を認めた．原発性肺癌とその骨転移を疑い気管支鏡，肋骨生検などの精査を施行するも，確定診断が得られなかった．他臓器に明らかな転移病巣がないため，確定診断目的で中葉切除と第 6 肋骨切除術を施行した．術後病理診断は肺クリプトコッカス症に肋骨好酸球性肉芽腫の合併した症例と判明した．現在外来において定期的に観察しているが，抗真菌薬投与を行わず，術後 10 ヶ月で再発を認めていない．
