日大医学雑誌
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症例報告
腹腔鏡下筋腫核出術後に帝王切開分娩となった症例
―術後妊娠による子宮破裂のリスク―
松浦 眞彦青木 洋一小林 祐介中村 晃和市川 剛山本 樹生
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2013 年 72 巻 2 号 p. 102-107

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抄録

腹腔鏡下筋腫核出術は,腹式筋腫核出術に比べて,低侵襲で術後癒着が少な く審美性にも優れ,現在広く普及しており,出産の高齢化に伴い,今後,腹腔鏡下筋腫核出術後の妊娠出産が増加すると予測される.筋腫核出後の妊娠合併症として子宮破裂が最大の問題である.当院において,腹腔鏡下筋腫核出術を施行し,その後,妊娠して帝王切開分娩となった症例を経験したのでここに報告する.その経験を踏まえ,妊娠による筋腫核出創部の変化について,腹腔鏡 下手術と開腹手術とを比較検討した.腹式筋腫核出術に比べて腹腔鏡下筋腫核出術の方が,子宮破裂の危険性が高いと云われているが,内視鏡手術で確実に縫合修復する技術を習得すれば,開腹手術と同等の手術が可能で,妊娠による子宮破裂のリスクは軽減されると思われる.

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© 2013 日本大学医学会
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