2014 年 73 巻 6 号 p. 267-270
80 歳,男性.腹痛とCA19-9 の上昇を認め,腹部CT で肝門部近傍リンパ節の腫大を指摘された.その後リンパ節の増大,肝S5 に径25 mm の腫瘤を認めた.造影CT で肝腫瘍は早期濃染を認めたことから,T2N1M0 stage IVA の肝細胞癌と診断し,S5 部分切除術,胆嚢摘出術,リンパ節郭清を施行した.術後病理診断は混合型肝癌古典型であった.リンパ節転移をともなった混合型肝癌に対しては,肝およびリンパ節を含む肉眼的根治切除により予後改善を得られる可能性がある.