2018 年 77 巻 5 号 p. 299-301
近年認知症をもつ高齢患者が急増しており社会 問題となっている.しかし一部の認知症患者においては, 特定の疾患が正しく診断された場合に有効な治療を受け ることができる.なかでもコバラミン(ビタミン B12) 欠乏はその様な「治療可能な認知症」として最も重要か つ高頻度の疾患の一つである.そこで本稿ではコバラミ ン欠乏による巨赤芽球性貧血に加え,貧血症状に乏しい 潜在性のコバラミン欠乏症についてもやや詳細に記載し, またそれら以外の血液疾患について治療可能な認知症を ひきおこすものについて概説をする.