抄録
73 歳の男性.M 蛋白を認め当院に紹介となり,
IgG-κ 型骨髄腫 (D&S stage IIA, ISS stage I) と診断した.
経過観察していたが,IgG が 6,715 mg/dl に増加したた
め bortezomib を週 1 回,1.3 mg/m2 の経静脈投与で開始
した.6 回の投与翌日に嘔吐がみられ,麻痺性イレウス
と診断し,以後の bortezomib を中止した.Vincristine,
thalidomide などの前治療歴のある症例や bortezomib を
週 2 回投与した症例で bortezomib によるイレウスが報
告されている.本症例のように初回治療例で,週 1 回の
投与でもイレウスに注意する必要がある.