日大医学雑誌
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症例報告
Bortezomib 単独の weekly 6 回投与でイレウスを生じた骨髄腫
伊東 正剛小林 優人平林 幸生木曽 里美八田 善弘武井 正美高橋 昌里
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2019 年 78 巻 3 号 p. 147-150

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抄録
73 歳の男性.M 蛋白を認め当院に紹介となり, IgG-κ 型骨髄腫 (D&S stage IIA, ISS stage I) と診断した. 経過観察していたが,IgG が 6,715 mg/dl に増加したた め bortezomib を週 1 回,1.3 mg/m2 の経静脈投与で開始 した.6 回の投与翌日に嘔吐がみられ,麻痺性イレウス と診断し,以後の bortezomib を中止した.Vincristine, thalidomide などの前治療歴のある症例や bortezomib を 週 2 回投与した症例で bortezomib によるイレウスが報 告されている.本症例のように初回治療例で,週 1 回の 投与でもイレウスに注意する必要がある.
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