日大医学雑誌
Online ISSN : 1884-0779
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原  著
マウス大腿骨骨折モデルにおける 脱分化脂肪細胞 (DFAT) 移植による骨形成促進効果
山田 知裕松本 太郎風間 智彦新井 嘉則加野 浩一郎徳橋 泰明中西 一義
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2020 年 79 巻 5 号 p. 265-273

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抄録
四肢の骨折は治療法や手術方法が確立されて いるが,重度の外傷,広範囲な骨欠損では,適切な治 療や手術を施行しても,骨の癒合が不十分となること が多い.近年,整形外科領域においても,幹細胞など を利用した再生医療が期待されている.脱分化脂肪細 胞 (dedifferentiated fat cell: DFAT) は成熟脂肪細胞に由来 する間葉系幹細胞に類似した多能性細胞である.本研究 は,マウス大腿骨骨折モデルに対し,DFAT をペプチド ハイドロゲルと共に骨折部位に移植し,骨形成促進効果 を検討した.その結果,DFAT 移植により仮骨形成が促 進され,骨折部周囲の骨量の増加が誘導されることが明 らかとなった.DFAT は,難治性骨折に対する治療用細 胞源として有望であることが示された.
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