市立大町山岳博物館研究紀要
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Print ISSN : 2423-9305
長野県北西部,仁科山地の地質と斜面崩壊
太田 勝一高橋 康
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2023 年 8 巻 p. 1-14

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抄録
長野県北西部には,糸魚川-静岡構造線に沿って青木湖,中綱湖,木崎湖が南北方向に並んでいる.これらの湖の西側(北アルプス側)に沿って位置する仁科(にしな)山地の地質は,ペルム紀~ジュラ紀の堆積岩と火山岩,白亜紀~古第三紀の深成岩と火山岩,おおび第四紀の火山岩からなる.これらは数系統の断層により切られており,断層沿いに熱水変質を被り,熱水変質部は軟質化~粘土化する.青木湖の北側に位置する佐野坂丘陵は,北に流れる姫川と南に流れる農具川の谷中分水界である.青木湖は約3.4万年前に仁科山地で発生した佐野坂崩壊により,旧姫川が堰き止められて形成された.その際に,崩壊は斜面の最大傾斜方向より北東側に向かって発生し,旧姫川の河道に詰まって停止した.中綱湖は,仁科山地で発生した中綱地すべりと神城断層の衝上運動位により,旧姫川が堰き止められて形成された.中綱地すべりは熱水変質に伴う岩石の軟質化により発生し,佐野坂崩壊とほぼ同時期の可能性がある.
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© 2023 本論文著者
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