抄録
2019年に改訂されたIARCがん原性同定モノグラフのためのプレアンブル(前文)ではメカニズムエビデンスが、ヒトがん研究エビデンス、動物実験エビデンスと並列的に評価され、最後に統合されるプロセスが明示されている。メカニズムエビデンスでは曝露されたヒトだけでなく、ヒト初代培養細胞、組織におけるエビデンスが強調されている。臨床医学を想定したEBM(Evidence-based medicine)におけるエビデンス概念とは区別される、予防医学のためのエビデンス概念を新しいプレアンブルは提示するものである。