産業医学レビュー
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  • ~日立健康管理センタにおける臨床研究の実際~
    中川 徹
    2025 年38 巻2 号 p. 78-94
    発行日: 2025/09/01
    公開日: 2025/09/03
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    昭和の時代には、病院を持ち、健診・検診センターを擁する企業は数多くあったが、周囲に病院や健診機関が設立された平成の時代になると、企業が自前で医療機関や健診機能を持つ意義が問われ、その数は激減した。しかし日立健康管理センタは一貫して存在し続けた。その結果、1996年当時の日立地区は従業員数5万人規模で年間の在職中死亡は80人を超えていたが、二十数年にわたる当センタの産業保健活動(予防医療)や地域の医療機関の医療技術発展(臨床医療)の成果として、現在では日立地区の従業員標準死亡比は0.37という結果に至った。日立地区従業員は全国と比べ、実に63%も死亡が低下した。当センタを中心に職域でのがん検診を含む健康診断と保健指導が実施されたことでデータの集約が可能となり、職域での大規模・長期のコホート研究を展開することができ、多くのエビデンスを出し、それをもとに健康施策へとつなげてきた結果であると自負している。本稿では、企業立健診・検診機関が果たしてきた軌跡を提示し、企業立の健診機関における産業保健への意義を示したい。
  • 岩澤 聡子
    2025 年38 巻2 号 p. 95-103
    発行日: 2025/09/01
    公開日: 2025/09/03
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    皮膚刺激性がない物質が皮膚から吸収され発がんに至ったと疑われる事案が発生している。「皮膚から吸収・侵入して健康障害を生ずるおそれが明らかなもの」はGHS分類からは明らかでなく、皮膚吸収性有害物質を特定する考え方を整理する必要があり、検討経過をまとめた。選定方法には限界点があり、産業保健職はその点を認識し、適切に助言をすることが望ましい。
  • 野原 理子, 片井 みゆき, 永野 拓紀子, 飯田 美穂, 金城 泰幸, 野村 恭子
    2025 年38 巻2 号 p. 104-143
    発行日: 2025/09/01
    公開日: 2025/09/03
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    少子化や労働力不足など現在の日本の重要な課題の解決に向け、職域において女性に対する期待が高まっている。女性が活躍できる環境を目指し、法制度が整備されているが、日本のジェンダーギャップ指数の改善は限定的で、制度と現実には大きな乖離がある。そこで本稿では、職域での女性の健康をめぐる重要な項目について、過去から現在までの研究・実践をレビューしつつ、現在の地点を各専門家が示す。
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