産業医学レビュー
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肝がん予防につながる肝炎・肝機能障害等の対策について
是永 匡紹立道 昌幸
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2026 年 39 巻 1 号 p. 78-96

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抄録
国民病ともいわれるウイルス肝炎は、国の様々な対策と抗ウイルス薬の進歩により、20年前と比較するとその陽性率は約1/3、肝がん死亡数も2/3にまで急激に減少している。その一方、いまだ感染を知らない感染者、検査で陽性と知りながら受診をしていない感染者も存在し、近年の陽性率減少は停滞傾向である。また近年では、アルコールのみならず、生活習慣病合併由来の肝硬変や肝がんも稀ではなく、世界全体ではこの10年間で肝がんの罹患数は増加傾向にあるとされ、ウイルス性肝炎の感染予防・検診・治療の強化のみならず、飲酒量の抑制、環境リスク要因の制御、代謝異常を合併した脂肪肝増加への対応も必須である。職域は、肝炎ウイルス検査の受検率が低く、早急に検査機会を拡充すべき領域である。また、肝機能値が基準を超える健康診断受検者は20%存在し、どのような症例を要精密検査の対象とするかは、肝がんの一次予防として重要である。産業保健衛生・健康診断に関わる関係者が、最新の臨床情報にとどまらず国策としての肝炎対策への取組についても理解を深め、肝炎ウイルス・肝機能検査の受検を促すこと(受検)、検査で陽性・要精密検査となった者が速やかに肝臓専門医を受診すること(受診)、罹患者が適切な診療を継続して受けること(受療)が重要である。
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