鉄道軌道に多く用いられている有道床軌道は,バラスト層の沈下によって,突固めなどの維持管理に大きな労力を必要とする.しかしながら,維持管理を行うための最適な指標は存在せず,既存の軌道沈下則に基づく管理を行っているのが現状である.適切な維持管理が実施されるためには,軌道破壊のメカニズムを解明し,軌道沈下を精度良く予測するモデルを確立することが必要である.本報告では軌道沈下に関する既存の文献をレビューし,従来行われてきた研究の成果をまとめるとともに,研究課題を把握し,これからの研究の方向について考察する.