抄録
【目的】発達障がい傾向のある低年齢児において,姿勢・運動機能やセルフケアの特性と変化を明らかにすることである.
【対象】独歩可能だが行動面の困りやセルフケア未獲得からPTを開始し,半年以上が経過している児17名とした.
【方法】保護者に開始時の主訴と,開始時・最終時の姿勢・運動機能・セルフケアについて,担当PTにPT内容と運動機能について,記入形式で質問した.
【結果】保護者の主訴は,姿勢保持の困りが多く,セルフケアは少なかった.運動機能・セルフケアについて,開始時は著しい遅れが生じていた.最終時,運動機能は遅れが軽減し,セルフケアの内,食事・整容と入浴・更衣は向上したが,トイレ動作では最終時も遅れを認めていた.
【結語】発達障がい傾向のある低年齢児では,運動機能・セルフケアともに開始時は遅れがあり,保護者は姿勢保持に困りを抱えやすいが,セルフケアの遅れを認識できていない可能性が示唆された.