大分県理学療法学
Online ISSN : 2434-5431
Print ISSN : 1349-4783
最新号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 梶山 哲, 戸髙 良祐, 野村 心, 伊東 祐輔, 梅野 和也
    2023 年 16 巻 p. 1-7
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    【目的】 バランス障害と認知機能に関する各因子が回復期脳卒中患者の転倒回数に関連する かどうか検討した. 【対象と方法】2017年4月から2019年11月までに回復期リハ病棟を退院した脳卒中患者641名のうち,入院中に1 回以上転倒した76名を対象者とした.転倒回数を目的変数とした重回帰分析を行い,関連する因子を求めた.説明変数は,年齢,性別,脳卒中病型,入院時 Functional Independence Measure 運動項目(以下,mFIM),入院時認知FIM(以下,cFIM),入院時 Berg Balance Scale(以下,BBS),入院時 Mini-Mental State Examination(以下,MMSE)を用いた. 【結果】該当期間に,入院中の転倒回数は1.82±1.03 回であった.バランス機能を評価するための指標 BBS(p=0.006,β =-0.315)と,精神状態短時間検査 MMSE(p=0.029, β =0.249)のそれぞれの入院時の値が関連因子として抽出された. 【結語】 BBS が低値,MMSE が高値なものほど転倒回数に影響を及ぼす可能性が示唆された.
  • 小若女 真也, 皆田 渉平, 宮川 真二朗, 今岡 信介
    2023 年 16 巻 p. 8-13
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    【目的】サイバーナイフ治療を施行したがん患者に対するリハビリテーション(以下;リハ) 介入前後のFunctional Independence Measure(以下;FIM)とCancer Functional Assessment Set(以下;cFAS)の変化を調査することである. 【対象】2021年4月から2022年3月までの期間に当院に入院し,サイバーナイフ治療を施 行され,リハを実施した40例とした. 【方法】調査項目は基本情報として,年齢,性別,入院期間,リハビリ開始までの日数,自宅退院件数,日常生活動作能力の指標としてFIM,運動機能の指標としてcFASを用いて後方視的に調査した. 【結果】FIMは介入前118.9 ± 10.2点,運動項目85.1 ± 8.6点,認知項目33.7 ± 2.7点であり,介入後は120.0 ± 10.6点,運動項目86.5 ± 7.2点,認知項目33.6±3.2点であった.cFASは介入前82.4 ± 10.9点,介入後84.7 ± 10.4点であった.FIM,cFASともに介入前後における有意差は認めなかった. 【結論】サイバーナイフ治療を施行する患者に対するリハ介入を行うことで,Activities of Daily Living(以下;ADL)および運動機能の維持が図れた.
  • ~1年間の縦断的研究~
    手老 泰介, 田中 健一朗, 河野 礼治, 永徳 研二, 今岡 信介, 皆田 渉平, 朝井 政治
    2023 年 16 巻 p. 14-19
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    【目的】高齢者サロンを活用した「通いの場」に1年間継続して参加し,「きつみん体操」を継続した高齢者の身体機能の推移から,継続的な「通いの場」の有用性について検証すること. 【対象】杵築市役所で計画された住民主体の「通いの場」に参加を希望した杵築市在住の高齢者のうち, 2018年12月から2020年3月までの期間で,1年間継続的に住民主体の「通いの場」に参加した67名とした. 【方法】対象者に対して,初回参加時, 3ヶ月後, 1年後に握力, 開眼片脚立位保持時間(One leg standing time,以下:OLS),Timed up and go test (以下:TUG)を測定し,3群間の差の比較を行った. 【結果】OLSは介入前と比較し, 3ヶ月後,1年後の結果で有意に実施時間が延長していた. TUGは介入前と比較し3ヶ月後の結果,1年後の結果で有意に歩行時間の短縮を認めた.握力では,介入前,3ヶ月後,1年後, それぞれの測定条件間で有意差は認めなかった. 【結論】「きつみん体操」を含む「通いの場」の長期的な参加は,身体機能を維持,改善させることが示唆された.
  • 橋本 志保, 久保田 珠美, 那須 賢一, 小森 麻里, 田﨑 挙哉
    2023 年 16 巻 p. 20-28
    発行日: 2023/03/31
    公開日: 2023/05/29
    ジャーナル フリー
    【目的】発達障がい傾向のある低年齢児において,姿勢・運動機能やセルフケアの特性と変化を明らかにすることである. 【対象】独歩可能だが行動面の困りやセルフケア未獲得からPTを開始し,半年以上が経過している児17名とした. 【方法】保護者に開始時の主訴と,開始時・最終時の姿勢・運動機能・セルフケアについて,担当PTにPT内容と運動機能について,記入形式で質問した. 【結果】保護者の主訴は,姿勢保持の困りが多く,セルフケアは少なかった.運動機能・セルフケアについて,開始時は著しい遅れが生じていた.最終時,運動機能は遅れが軽減し,セルフケアの内,食事・整容と入浴・更衣は向上したが,トイレ動作では最終時も遅れを認めていた. 【結語】発達障がい傾向のある低年齢児では,運動機能・セルフケアともに開始時は遅れがあり,保護者は姿勢保持に困りを抱えやすいが,セルフケアの遅れを認識できていない可能性が示唆された.
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