理論と方法
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学会賞受賞講演
理論社会学としての数理社会学
浜田 宏
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2001 年 16 巻 1 号 p. 121-130

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抄録
 数理社会学がそれ自体として理論社会学であるためには何が必要なのだろうか?この問題について、受賞論文「所得分布の生成モデル」の展開を参照しながら、考えてみたい。かつてファラロは、一般理論の構造を4つの水準からなるヒエラルキーとして特徴づけた(Fararo 1989)。その構造を範として、所得分布の生成モデルを部分モデルとして含む、包括的なモデルの可能性を提示する。モデルの体系性を重視する最大の理由の一つとして、複数のモデルが論理的な連関を持つことで、個々独立に分析していた時には、見出せなかったアイデアや予想、そして解くべき問題そのものが生まれる可能性がある、ということが上げられる。
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© 2001 数理社会学会
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