理論と方法
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特集 二次分析の新たな展開を求めて
二次分析における再現可能性
板倉 宏昭尾崎 万枝
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2002 年 17 巻 1 号 p. 41-51

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抄録
 General Social SurveyおよびInternational Social Survey Programのデータを利用した二次分析による5本の論文をとりあげ、元データから分析結果を再現できるかどうかを検討した。検討の結果、5本の論文の中には、分析結果を完全に再現できた論文は、なかった。現在の論文は、再現可能性を保証するものには、なっていない。研究者は、驚くほど再現可能性について、注意を払ってこなかった。再現可能性は、科学の方法として不可欠であり、再現可能性が保証されない状況では、実証分析の論文の信頼性が失われる危険性がある。そこで、再現可能性を高めるための報告様式を明らかにした。さらに、再現可能性を改善するためのデータベース側の配慮、学会の政策、教育プログラムについて議論した。
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© 2002 数理社会学会
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