理論と方法
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研究ノート
N人ジレンマの提携形ゲーム
浜田 宏
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2009 年 24 巻 2 号 p. 317-332

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抄録

 非協力N人ジレンマゲームは全員が裏切り戦略を選択するという支配戦略解を持つ.本稿では,全員が協力戦略を選択する状態がどのような条件の下で実現するのかという問題を,提携をとおして考える.まずN人ジレンマゲームを提携形ゲームに変換し,全体提携下で全員が協力戦略を選択する条件/一部が選択する条件を示す.次に特性関数をマキシミン値で定義するとコアが存在し,マキシマックス値で定義するとコアが存在しないことを示す.そして提携外のプレイヤーが協力戦略を選択する主観的確率を提携外信頼と定義して,この値によりコアの存在条件を一般化する.その結果,提携外信頼が大きすぎると単独提携への逸脱が生じ,コアが空になることが分かった.

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© 2009 数理社会学会
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